iSB 公共未来塾-復興支援型-は、被災地のNPOと協働し、地域の福祉・介護分野での社会的企業を担う人材を育成、支援します。
私は東京で鍼灸師をしていて、震災後、4月に石巻の避難所でマッサージをするボランティアに来ました。そちらの活動を5月に終えて、6月から大槌町にいます。大槌町の社会福祉協議会が主催する「お茶っこサロン」の運営をお手伝いする形で、大槌町の48カ所の避難所を回ってサロンを運営してきました。
大槌町の仮設住宅はいろんな地区からバラバラに入っているので、コミュラアィがありません。そこでサロンで知り合うきっかけを作り、自治会を作ってもらい、趣味のサークルを作るなどして、新しいコミュニティ作りをお手伝いする。自殺や孤独死の予防も目標でした。去年の12月に終了するまで、そこでの1年半の活動を通じて、これから本気で取り組みたいと考えたのが、今回の事業です。
三陸ブレーメン企画は、漁業をテーマにした支援プロジェクトです。津波で船を失った漁師さんの中には、高齢からもう一度借金して船を買うことが現実的ではなく、再開を諦めた方がたくさんいます。
そこで第1の事業として、一度は引退を決めた漁師さんを集め、共同の船で共同漁業をしてもらいます。生涯現役のつもりでいた漁師さんに、まだまだ海に出て活躍してもらう。
第2の事業は販売支援。海産物をイベントやネットを通じて消費者に直接販売します。
第3の事業は漁師厨房。三陸の魚介はものすごく美味しいのに、市内に海鮮を食べられるお店がない。大槌の名店を作り、外にもアピールして町への集客もしていきます。
まず中古の船を1艘用意することが最初です。6月までには仕入れようと思っています。
副題として考えているのは、次世代の担い手を作ること。じつは三陸の海には年収1000万円を超える漁師も少なくない。なのに大槌高校の卒業生はほとんど市外に出てしまう。それはきっとそれだけ稼げる仕事場が目の前にあることを知らないと思うんです。
ただし漁師の息子でない限り、漁師になる方法が分からない。そこでベテラン漁師に全面協力してもらい、後継者を育てていく。三陸ブレーメン企画が漁師を目指す若者の入り口になります。