iSB 公共未来塾-復興支援型-は、被災地のNPOと協働し、地域の福祉・介護分野での社会的企業を担う人材を育成、支援します。
震災の時、私は多賀城市に住んでいました。大きな津波が押し寄せて、砂押川という川を隔てて反対側は、地獄絵図でした。
ところが川のこちら側は何の変わりもなく、家もしっかり建っている。そのギャップが、すごくショックでした。海側の堤防が決壊して、 私の家の近くの堤防は決壊しなかった。それか命の境目だったんです。川の反対側ではたくさんの人か亡くなったのに、自分は生きている。それか申し訳なくて、何かせずにはいられなかった。そして市内を一軒一軒回って、ボランティアをして歩きました。
その後は、「FMたいはく」というコミュニティラジオで、復興支援のために頑張っている方たちを取材して伝えることもしていました。
仮設住宅にボランティアに行った時には、一生懸命、被災者をまとめようとするシニアの方と、やってもらって当たり前という方がいまし た。大変な状況でも、人の役に立とうとするか、しないか。非常時だからこそ、人間性が見えたんです。それを見て、シニアの方こそ生きかい を持つことが必要だと感じました。
地域のシニアが子どもたちの先生に変身する 、シニアによる講座を開いていきます。
シニアの方は、人生で培ってきたノウハウや知識、職業経験をお持ちですよね。その資産を、地域の 子どもたちのために役立ててほしいんです。例えば、昔ながらのメンコやビー玉といった遊びを教える。漁師さんに海や漁業のことを教えて もらう。伝統文化を伝えることにも、地域のふれあいを生かことにもなります。
小学生から大学生を対象にした職業講座も考えています。大事なのは、「自分の入れる学校や会社はどこか」ではなく、「一生を通して本当にやりたい仕事を見つける」こと。
そこで、弁護士や医師などさまざまな職種のシニアに、学校で講演をしていただきます。特にその仕事をして良かったという物語を話してもらいたいんです。早いうちから自分の人生を考えることが大事。それはシニアの方も同じなので、人生のエンディングを考える講座も開いていきます。生きてて良かったと心から思えるように、生きがいを持って生きてほしいですね。