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起業レポート - 豊田 哲郎 ゆうたく

豊田 哲郎

正式名称
ゆうたく
企業形態
株式会社

起業の動機

津波被災他の農地は今、塩害が原因で作物が育ちにくい状態になっています。地震直後は塩分を吸収する植物が植えられたりしましたが、震災から2年たった今、塩分は表層から60~70mのところに沈んで溜まっていて、そういう作物では効果が出せない。さらに、連作障害が出て同じ作物を植えられなくなってくる。この塩の層がとくに根菜類に悪さをして、うまく作物が育だないんです。

解決すべき地域の課題

この塩害土壌を作物がよく育つ土壌に改良する方法として、塩に強いバイオ菌を培養した肥料を土のなかに入れる方法かあります。私が現在所属する会社で研究開発したもので、塩害土壌でのフィールドテストはこれから行いますが、このバイオ肥料を、化学肥料を使いすぎた痩せた土に入れると、3ヵ月から6ヵ月で明らかに土壌が改良されます。

このバイオ肥料はタンクと菌さえあれば軒先でもどこでも培養できるものです。この菌を被災他の農家さんに無償で提供するとともに、作り方、使い方を教え、塩害土壌を早く改良して被災他の農業を早く再生させてあげたいというのが、私の計画です。その事業のために、個人で会社を作りました。専門家が数名、協力者としてフォローしてくれます。

ビジョン

数年後の農業再生に向けてしっかりと事業を作っていく

土壌改良が成功して良い作物かできたら、その買取り販売や、付随する事業を請け負って行きたいと思います。しばらく収入がありませんが、私は会社からの給料で食べていけますから。フィールドテストは津波で壊滅的な被害を受けた仙台市若林区荒浜地区で、再建に向けて頑張っている農事組合法人と一緒に行うべく、計画を進めています。

私の一つの構想として、改良した土壌でバイオの循環サイクルを作るというのがあります。高齢化などで野菜を育てるのが難しいという農地には、菜種やひまわりやアッケシなどを育てて植物油を作ります。これを学校や施設の給食センターで調理に使い、そこから出た廃食油をバイオマス処理してバイオオイルを作る。そのオイルで発電機牛車や農機を動かして、次の生産に繋げていくのです。