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起業レポート - 秋庭 千可子 越後屋

秋庭 千可子

正式名称
越後屋
企業形態
一般社団法人

起業の動機

私は東京出身ですが、子育てに良い環境を求めて2000年に(喜多方市)山都に引っ越してきました。当時、山都の人口は4800人ほどでしたが、現在は3650人くらい。過疎化と高齢化が進んだ限界集落です。それでも、不器用ながら楽しく生きている魅力的な方がたくさんいます。素人の私が農業を始めれば、鍬の持ち方から何から近所の方が教えてくださり、朝起きると家の前にジャガイモやトマト、キュウリなどたくさんの野菜のおすそわけかポンと置いてある。そのおかげで生きて来られたようなものです。

おそば屋さんでバイトをするうちにそば打ちにハマって腕を磨いた私は、2010年2月に、長く空き家になっていた旅籠をお借りして、山都そばと、地元産の小麦粉を使ったうどん、シフォンケーキか自慢の喫茶店「茶房 千」をオープンしました。古い旅籠の雰囲気がすごく素敵で、観光客や地域の方に喜ばれ、支えてもらって続けて来られたのです。

解決すべき地域の課題

原発事故を受けて、 地域住民が勉強会を開く場に

山都町のそば祭りを翌日に控えた日、震災が起きました。みんなで体育館に集まって津波の映像を見、衝撃を受けました。さらに原発事故。それ以降、地域の20人くらいが当店に集まって情報交換や話し合いをする「水曜勉強会」が始まりました。山都に観光客はまったく来なくなりました。会津が安心なのか分からない状態で、動揺して地域を出て行く人もいましたし、情報も錯綜していて。勉強会は今でも続いています。

ビジョン

山都には都会から移住してきた芸術家や作家さんが実は100人くらいいて、「千」で企画展やイペントを開いてくれています。さらにライブや勉強会など、いろいろ利用できるよう、2階を改装してイベントスペースとしてオープンします。6畳の部屋が2つ、8畳が2つの大きさで、襖を取り払ってワンフロアにして使ってもらうこともできますし、もともと旅籠ですから、布団を貸し出して寝泊まりもできるようにします。県外からも集客して山都という美しい田舎を知ってもらい、地域再生に繋げたいですね。