iSB 公共未来塾-復興支援型-は、被災地のNPOと協働し、地域の福祉・介護分野での社会的企業を担う人材を育成、支援します。
私は特別養護老人ホームに9年間勤め、その後、社会福祉士とケアマネージャーの資格を取り8年、居宅介護の会社でケアマネージャーとして働いています。ただ、今の公的制度で課題に感じるのは、介護保険制度や障害者総合支援法だけでは、QOL(生活の質)が十分ではないですね。映画を見に行ったり、外食して美味しいものを食べたりとか、私だちが普通に楽しめることをさせてあげたくても、介護保険のヘルパーは介肋できない。生きていくための最低ラインしか手伝えないので、民間の介護サービス会社に頼んでもらうしかありません。しかしそうなると1時間3000円も4000円もかかるんです。あまりにも両極端です。私はそのあいだの、少しの「困った」や、少しの「楽しみ」のために、気軽に頼みやすい価格のサービスを作りたいと思い、起業に至りました。
さまざまなニーズに応じた 低価格のサービスメニュー
私がケアマネージャーとして事務所を開設し、介護保険適用の居宅介護サービスと、保険外サービスを派遣型で行います。保険外サービスは、4種類のメニューを用意します。1つめは、家事代行など介助を伴わないお手伝いで1時間あたり900円、2つめは通院の付き添い介助など身体介護を伴うもので1時間1500円、3つめは雪かきや年末の大掃除といった重労働になるもので1時間1500円、4つめは短時間のサービスで、例えば加薬の時間に顔を出して飲ませてあげたり、きちんと飲んだか確認するもので、10分300円です。独り暮らしや認知症の方、老老介護の方などにニーズかあると思います。
こうした保険外サービスは、元気なシニアの方を雇用したいと思います。定年退職や早期退職された方でまだバリバリ働ける方はたくさんいます。地域の民生委員をやったり小学生の交通誘導をしたりしていますよね。あの方たちの元気を活用しない手はない。その方たちに放課後鍵っ子を預かってもらうサービスも考えています。また、地域の旅行会社と提携し、高齢者や障がい者向けに、介助サービスつきの旅行も企画していきたいです。