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起業レポート - 矢澤 啓史 あめのうずめの演芸会事務局

矢澤 啓史

正式名称
あめのうずめの演芸会事務局
企業形態
個人事業主

起業の動機

僕は和太鼓職人で宮城県の蔵王に工房を持っていたのですが、震災でダメになってしまって。妻の仕事の関係で埼玉に移り、NPO法人埼玉ネッ卜を知りました。埼玉ネットは川内村で災害ラジオの開局や復興祭イベントを手伝っていました。僕が和太鼓奏者ということもあり演奏イベントに参加するうち、原発にほど近い川内村へも同行するようになりました。そこで目の当たりにしたのか、川内村の人たちの心の窮状ぶりでした。 全村避難からの帰村宣言はしたものの、3000人の住民のうち帰ったのは1100人。お年寄りが多く先行きに希望が持てない人が多い。農業も試験栽培を経て栽培許可が下りても、風評被害が待ち受ける。せっかく帰村できて、役場の人も頑張っているのに、人々の心が不満と不信、苦悩で段々ギスギスし悪い方向に勤いていて。見ていてとても痛ましかった。音楽を通じて何かできないか考えた時に、とにかく楽しく元気にしたいと思い、この事業を考えました。

解決すべき地域の課題

人心の復興とともに、前向きな発想と議論ができる人材の育成に繋げたい

―演芸会をやる狙いは?

演芸会の後には必ず懇親会を設けます。音楽で心が持ち上がったところで、みんなでこれからの川内村を新しく作るんだという前向きな発想で話し合う、行勤していくコミュニティを作りたい。演芸会はそのきっかけです。

今年2月6目、16~17日と川内村のサポートセンターと郡山の仮設住宅で演芸会をやりました。特に郡山の方では、補償がなくなった後の自立を考えようという話に頷く人が多かった。音楽を聞いた後なら不思議とみんな素直に話を聞いてくれるんですよね。音楽で前向きになった人たちによって、例えば「私たちも仮設の中で自分たちで何かしようよ」と声が上がり、それがまた他の人に伝播していく。そんな循環ができたらと思います。

ビジョン

―どんなジャンルの音楽を演奏?

アコースティックな楽器が多いですね。これまでは笛とオカリナとコーラスの親子ユニット、しの笛と太鼓のペアをやりました。年配の方、が多いので、なるべく和を意識した親しみやすい音楽を心がけています。