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起業レポート - 渡部 三重子 トリプルワールド

渡部 三重子

正式名称
トリプルワールド
企業形態
特定非営利活動法人(申請中)

起業の動機

震災発生日に中通りの親類の元へ身を寄せた後、3月19日さいたまスーパーアリーナヘ避難。3月31日に旧騎西高校へやってきました。当時91歳の母は、寒さと移動、アリーナの綿ぼこりなどから肺炎で入院。3ヵ月後に退院しましたが車いすとなり、認知症も進んでしまいました。当初は部屋を借りて避難所を出るつもりでしたか、私も認知症の介護は初めての経験。ここは周囲に人がいる安心感があり、母も人と話せて楽しそうでした。車いすだとリフォームの費用もかかるので、結局、避難所に留まる判断をしました。

解決すべき地域の課題

温かいバランスの取れた食事をみんなに食べてもらいたい

今残っているのは高齢者ばかり。以前は国からお弁当が支給され、病気の人には病人食も作られていましたが、昨年の9月から有料のお弁当のみになった。車もなく独り身ではそれを買うしかありません。一日三食だと4人家族で月13万円とバカにならない。病人食はなくなり、油ものが多く野菜の少ないお弁当を何年も食べ続けるわけにいかないと、せめて自炊するためアンペアを上げたり電源を増やす交渉をしましたが、ダメでした。うちはIHコンロとレンジ、炊飯器でなんとか自炊を始めると、一時期とても痩せてしまった母か7㎏太ってくれたので、やはり手料理がどれほど健康にいいかと実感しています。

ビジョン

自分たちができることをと考え、当初は騎西高校から徒歩圏内で食堂をオープンさせ、野菜中心のバランスの取れた食事を提供、配食サービスも予定していました。騎西高校の被災者雇用にも繋がると期待していました。ただじつはこれは、別の団体の事業として進めていた計画で、団体の事情で急に取りやめとなり、急きょスタッフだった私が引き受けることに。そのため計画も変更せざるを得ませんでした。とりあえず週1回、ある団体の場所を借りて、送迎して有料で食事を提供する予定です。早く良い条件の場所を見つけて当初の計画をスタートしたいと思っています。

また今後は趣味のないお年寄りの心のケアとして、書道教室の開催なども考えています。