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起業レポート - 河野 和廣 しわ・まちコーディネット

河野 和廣

正式名称
しわ・まちコーディネット
企業形態
一般社団法人

起業の動機

JR東北本線日詰駅は紫波町の外れにある商店が10店舗ほど並ぶ古い駅でしたが、国の開発事業で整備され、駅前に大きなロータリーができました。商店は集約される計画でしたが、家賃が上かるのでみな閉店してしまった。同時に1㎞隣の町の中心に紫波中央駅が作られ、住宅団地もでき、日詰駅を利用する人はほとんどいなくなってしまいました。

日詰駅周辺には100軒ほどの家が残りました。高齢化が進み、独り暮らしの人も多い。店がなくなったので外に出る理由がなく、引きこもってしまいました。

解決すべき地域の課題

肥料の販売会社を30年してきた私は、お世話になった日詰地区のコミュニティ再生をしたいと考え、駅前の店を借り、コミュニティショップ「さくらばな」を始めました。アウトレットのパンや地域の産直野菜、惣菜を置いています。するとお昼に近所のお年寄りが来て長椅子に腰掛けて、お茶を飲んで世間話をして帰っていくようになりました。商売は赤字ですか、ここを拠点に地域の人たちを巻き込みながら、地域を活性化し、人と人の繋がりを元に戻していくことを始めたのです。

ビジョン

 一昨年の冬に、「夢あかり」というイベントを始めました。駅のロータリーにろうそくの行灯を700個並べて、中央に大きな影絵を作った。1年目は人はまばらでした。でもその時の仲間から、「子どもだけの夏祭り」の企画が持ち込まれ、その夏に開催。日詰に10人いる中学生に、いろんな出店をやってもらう。ミニSLのボランティアさんに来ていただいて、ロータリーにレールを敷いて小さい子どもを乗せてもらった。地域の障がい者施設にお願いして、キッチンカーでフランクフルトや焼き鳥、おやきを販売してもらいました。 その日、紫波町じゅうから日詰に300人の子どもが集まったんです。その冬の夢あかりは、たくさんの人が集まりました。 嬉しかったのは子どもが集まるとお年寄りが家から出てくるんです。今年の4月から、公民館を借りてお茶っこ会を開きます。少しずつ人の繋がりが戻ってきています。