iSB 公共未来塾-復興支援型 - Institute of Social Business

iSB 公共未来塾-復興支援型-は、被災地のNPOと協働し、地域の福祉・介護分野での社会的企業を担う人材を育成、支援します。

フライヤーダウンロード

トップ > iSBレポート > 起業レポート - 菅野 恵二郎

起業レポート - 菅野 恵二郎 上長部の郷

菅野 恵二郎

正式名称
上長部の郷
企業形態
一般社団法人

起業の動機

上長部地区は名産気仙杉の美林に囲まれ、農地では四季の野菜が収穫できる自然豊かな里山でした。しかし震災で3分の2の世帯が被災。津波は木々をなぎ倒して山々を駆け上がりました。住民15人が犠牲となり、私も息子を失いました。しかし、ボランティアさんの支援などに勇気をもらい、集落の再生に向けて一歩を踏み出しました。まず住民で塩害で立ち枯れる前に伐り出した丸太で作業所を建てました。丸太を組み合わせて屋根をかけただけの簡単な作業所ですが、人が集まれる場所ができて、皆が前向きになる大きなきっかけになりました。そこを拠点にして、製材所や集会所を建て、生産と集いの場を確保しました。また農地から瓦礫を堀り出して畑を復活させました。

忘れてならないのは、全国から来てくれた延べ2万5000人のボランティアさんたちの支援技きには、これらの成果はなかっただろうということです。今はただただ感謝です。

解決すべき地域の課題

「おどさん達のしごと」として塩害木を加工して木工品を制作、販売します。今は植樹用の木札1万5000枚の注文があり、皆で加工しています。また学校のグラウンドに仮設住宅が建ったため、近くの畑地がグラウンドになり、皆に利用されています。その管理・運営を法人として受託する話も進んでいます。

「おがさん達のしごと」として産直販売所を作り、有機野菜や加工品、手作り工芸品を販売します。

ビジョン

さらに少し先になりますが、ボランティア受け入れ・農漁業体験・防災教育などを組み込んだ農家民宿を始める予定です。メンバーは16名の高齢者が中心なので、ゆっくりと無理せずに、取り組んでいます。

ここには今年も3000人のボランティアさんが来てくださる予定で、その受け入れのコーディネートなどの仕事がありますし、山林の間伐などの手入れを引き受けたり、ほかの事業も次第に増やしていきますので、是非、若い人に働いてもらえるよう、財政基盤をしっかりさせたいと考えています。