iSB 公共未来塾-復興支援型 - Institute of Social Business

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起業レポート - 菊池 常泰 遠野総合センター

菊池 常泰

正式名称
遠野総合センター
企業形態
一般社団法人

起業の動機

ずっと飲食業をしてきたのですが、震災前は釜石市で車のセールスをしていました。アパートも会社も無事で仕事はすぐ再開し、震災で多くの人が車を流されたので、仕事は大忙しになりました。休む瑕もないぐらい。避難所に入ったお客さんに車を納めたり。でも私は何か違和感を感じた。車は皆さん必要なので車を売るのも大事ですが、今、自分がしたいことは被災者にものを売って稼ぐことじゃないと思った。私は仕事を辞めて遠野の実家に戻り、支援活動をしていたNPOに2011年7月に参加しました。

それからは仮設住宅を回って生活支援をしました。以前、ラーメン屋をしていたこともあるので、寒い時期に仮設住宅の炊き出しでラーメンを作ったら本当に喜ばれて、見廻りに行くたびに「また菊池さんのラーメン食べたいよ」って言われるのか嬉しかった。

仮設の支援をするうち、高齢者や遺族の方にはフォローがされているのに、障がい者の方には全然支援の目が向けられていない気がしました。じつは私の小学生の息子は軽度の知的障がいを持っているんです。釜石では障がい者施設が流されたのに、未だに再開もしていない。この子たちのために何ができるだろうと考え、今の事業にたどり着きました。

解決すべき地域の課題

彼らが社会人として働く場を広げたくて、障がい者が従業員のカフェと、パッチワークやポプリ、ハーブなどの商品を作るものづくり工房を遠野駅前にオープンします。大人になったとき、障がい者は隔離されたような工場の中で延々と同じ作業を繰り返すといった仕事しか選択肢がない。それも立派な仕事ですが、人と接するサービス業や、ものづくりをしたい子もいる。手先が器用な子とか、芸術的なセンスのある子とか、いろんな個性があるので、向いている仕事もまちまちです。四肢や内部障がいの方は、知的や精神障がいの子たちをサポートする役割もできます。

ビジョン

遠野は農業が盛んで人手が必要な作業も多いので、いずれ人材紹介も行いたい。まずはカフェを成功させること。責任重大です。